令和元年度の家族相談会、第1回目が開催されました!
ご家族の皆様にお集まり頂き、令和元年度家族相談会の1回目が6月14日金曜日に開催されました。当相談会は、統合失調症の患者さんを抱えるご家族対象の、必要な情報の共有と仲間作りを目的とした集まりです。今回は17家族22名のご参加をいただきました。
前半の情報提供ではまず、当相談会の成り立ちについて、日本各地で行われている効果の実証されている家族支援プログラムであることをご説明し、ご本人だけでなくご家族への支援の必要性、当院の家族相談会の概要(月1回開催、8回シリーズ、前半情報提供・後半グループワーク)についての説明を行いました。その後統合失調症という病気の概要、薬物療法と非薬物療法を組み合わせた適切な治療、リハビリテーションによって回復可能な病気であること、症状についての知識を本人も家族も得ることが大事であることを説明しました。代表的な症状である幻聴について、幻聴の起こり方、特徴、幻聴が起きやすくなる条件と対処法について解説しました。皆さん真剣に講義内容を聞かれ、その後ご家族同士数名でグループを作り、「どのようなきっかけでこの場に参加したのか・今何に困っているのか」話し合って頂きました。初回にも関わらず、ご家族の皆さん同士の交流が活発に見られました。
後半は初回参加のご家族と複数回参加のご家族とで班を分けてそれぞれグループワークを行いました。初回参加のご家族は国府台方式(こうのだい)グループワークを行いました。これは東京の国立医療センター国府台病院で考案されたもので、ご家族同士が体験を共有できて、大変な問題を抱えている中で自らの気持ちや頑張っていること、出来ていること、アイデアに目が向くように考案されたものです。複数回参加のご家族はWRAPグループワークを行いました。これはアメリカで長年精神障害を患い、その後に回復したメアリー・エレン・コープランドさんが開発した、自らが元気になるための「元気回復行動プラン」(Wellness Recovery Action Plan:略してWRAP)です。当事者のみならず、当事者を支えるご家族やその他健常者誰でも、自らを助けて元気になっていけるセルフヘルプの技法です。どちらの班でも活発な発言、体験の共有、意見交換、ご家族同士の交流がなされました。