精神科/児童・思春期精神科/心療内科/内科/歯科 福間病院医療法人 恵愛会 福間病院

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家族相談会第3回目が開催されました!

ご家族の皆様にお集まり頂き、令和元年度家族相談会の3回目が 8月9日金曜日に開催されました。当相談会は、統合失調症の患者さんを抱えるご家族対象の、必要な情報の共有と仲間作りを目的とした集まりです。今回は16家族20名のご参加をいただきました。 今回前半では「統合失調症の薬のお話」と題して、薬剤師より情報提供を行いました。統合失調症の薬物療法は抗精神病薬をメインに組み立てて、症状がなくなっても回復や再発予防のために服用を続けることを説明しました。薬の効き目、のみ心地、副作用などについてしっかりと主治医とコミュニケーションをとり、その人にあったオーダーメイドの処方を調整していくことをお伝えし、ご家族からは主治医とやりとりをしながら薬剤を変更し、再発の危機を乗り越えた体験などが話されました。副作用が起きた際には薬剤の量を調整したり、種類を変えたり、副作用止めを併用しながら服用を続けるなどの選択肢があること、薬剤調整以外に自ら出来る対処法があること(間食の内容を見直し無糖のガムや飴を活用する、食物繊維を多く摂る、運動、ウォーキング等)を薬剤師からお伝えし、医師の立場からは抗精神病薬の種類別の特色や、血中濃度を一定に保つデポ剤の効能などについても解説を加えました。最後に処方薬以外にも、治療者、家族、本人でよくコミュニケーションをとること、本人が飲みたがらない時はその理由を聴くこと、時間の経過が解決してくれる「時薬(ときぐすり)」人とのつながりで癒やされる「人薬(ひとぐすり)」の大切さについても触れ、色々な非薬物療法と組み合わせて効果を発揮する薬物療法であることを強調しました。薬にまつわる興味、期待、悩みはご家族の皆様にとっては切実なものであり、熱心に質問したり、メモをとったりされていました。 後半は初回参加のご家族と複数回参加のご家族とで班を分けてそれぞれグループワークを行いました。初回参加のご家族は国府台方式(こうのだい)グループワークを行いました。これは東京の国立医療センター国府台病院で考案されたもので、ご家族同士が体験を共有できて、大変な問題を抱えている中で自らの気持ちや頑張っていること、出来ていること、アイデアに目が向くように考案されたものです。複数回参加のご家族はWRAPグループワークを行いました。これはアメリカで長年精神障害を患い、その後に回復したメアリー・エレン・コープランドさんが開発した、自らが元気になるための「元気回復行動プラン」(Wellness Recovery Action Plan:略してWRAP)です。当事者のみならず、当事者を支えるご家族やその他健常者誰でも、自らを助けて元気になっていけるセルフヘルプの技法です。今回もそれぞれの班で活発な発言、体験の共有、意見交換、交流がなされていました。