「2020標準版家族心理教育研修会in福間」を開催しました。
当事者を支えるご家族を、精神科医療職、福祉職スタッフが効果的に支援するための技法を学ぶ研修会を2月15日、16日に開催いたしました。
当事者を支えるご家族への効果的な支援は、精神科医療においてとても大切なことです。1990年頃、家族を治療の共同パートナーとして必要な情報を提供し、対処技能の向上を目指す「家族心理教育」がアメリカから日本に紹介され、国立国際医療研究センター国府台病院にて、日本の臨床現場に即した形の「国府台モデル」が開発されました。
古くから家族支援に力を入れていた当院でも2010年に「国府台モデル」を導入し、院内各部署の理解と協力のもと当事者、家族を対象に心理教育プログラムが継続されています。今回、心理教育・家族教室ネットワーク主催の「標準版家族心理教育研修会」を、当院デイケア棟を会場に開催することが出来ました。自分の施設で家族支援を立ち上げたい、心理教育を本格的に学びたいと希望する受講生が、九州圏内にとどまらず北は北海道から南は沖縄まで全国各地から40名集まり、2月15日、16日の2日間の講習を受けました。当日はコロナウイルスの全国的流行も懸念される中、体調不良の方には出席をご遠慮頂き、会場にはアルコール消毒、手洗い場、マスクの配布などの対策も行いました。
家族心理教育のインストラクターとアシスタント総勢9名が講師陣を務め、講義のみならず数々のロールプレイ、グループワークを通して、心理教育・家族支援を現場で実践するための技術、心構えを共に学びました。当院からは受講生5名、講師3名が参加しました。
研修会の最中には、講師同士の和気藹藹とした掛け合いに笑いがあがったり、グループワークのデモンストレーションを受講生が熱心に聞き入ったり、数名の島に分かれてのロールプレイで会場全体が熱気に包まれたり、楽しさの中にも真剣な学びのある非常に充実したものとなりました。
会の終わりには「帰ってから自分たちの現場で家族支援や心理教育を立ち上げたい」「心新たに頑張りたい」との声を多数頂きました。この研修会が九州や全国各地の医療現場での更なる家族支援・心理教育の活動のきっかけとなるとすれば、開催スタッフ一同、望外の喜びです。実り多き研修会となりましたことを心より感謝申し上げ、ご報告とさせて頂きます。
文責:心理教育委員会 鈴木宗幸