福間病院 福間病院精神科
専門研修プログラム

医療法人恵愛会福間病院

臨床研修センターだより

旅立ち

今年も年度末を迎えました。当院で2年間研修を受けた専攻医の先生たちが、4月から連携病院に移動となります。 山口県立こころの医療センターさんと、長崎県の道ノ尾病院さんです。それぞれ当院にない特色と専門性を持った病院で、専攻医の先生たちにとってはそれまで福間病院しか知らなかったのが、初めて食う「他院の釜の飯」です。治療文化の違いに目を開かれることも多いでしょうし、2年間当院で修行した自分の臨床能力が他所でどのくらい通用するのか試す、すごく良い機会になるでしょう。これまでの経験からも、一度連携病院に出た先生は一回り大きくなって自信をつけて帰ってきます。ぜひ頑張ってほしいと思います。

当院を旅立っていく先生もいます。3年間の専攻医研修を無事終えて、更に自分のサブスペシャリティを磨くために別の病院に就職して行きます。 寂しい気持ちもありますが、彼の人間性と臨床能力は病棟の看護師さんたちも含めて誰もが認める所です。きっと新しい病院で生き生きと更なる成長をしていくことでしょう。 週1回は当院に非常勤で戻ってきて、自分の外来患者さんは引き続き担当してくれるので、「自分の担当患者さんを長い経過で診る」という、若い精神科医の成長にとって大切なポイントも取りこぼしていません。 ある意味、理想的と言える旅立ち方かもしれません。

当院出身の先生方だけではありません。今年度は福岡大学病院から2名の若手の先生が半年ずつ研修に来られました。「患者さんとのコミュニケーションと症状評価を大事に、一例一例丁寧に診る」「現場でみんなで患者さんを診る」という当院の研修スタイルがどれだけ役に立ったのか、はたまた現場優先主義でacademicな面で物足らなさを感じたのか分かりませんが、大学病院とはまた違う環境で、試行錯誤しながら一生懸命研修に取り組まれたと思います。 当院での研修が、今後一人前の臨床医になっていくための「成長の芽」となれば嬉しいなと思います。

来週からはまた新しい専攻医の先生たちがやってきます。今年度の若手の先生たちからもらったフィードバックを参考に、研修内容をさらに改変していく予定です。

3月31日午後7時。空っぽになった医局デスクを見ると、巣立っていったんだなと実感が湧いてきました。みんな頑張ってね。俺も頑張るから。

福間病院 臨床研修センター長
鈴木 宗幸