福間病院 福間病院精神科
専門研修プログラム

医療法人恵愛会福間病院

臨床研修センターだより

みんなで精神病理

有志の勉強会を始めました。題して「みんなで精神病理」。
テキストは10月4日のセンター便りで紹介した「症例でわかる精神病理学」。
2週間に1回金曜日の夕方に、勉強したいメンツで集まって、あらかじめ決めてきたテキストの該当箇所をもとに疑問点や意見など、思い思いに語り合います。普段一人で勉強しているのと違って、それぞれの解釈を語りあったりディスカッションしたりして進めるのは楽しいです。
若手~中堅向けに始めた勉強会ですが、どちらかというと中堅の先生たちで集まってやっています。
ある程度臨床を経験して、現場で色々と診断や治療について思う所が増えると、もう一度しっかりと学びなおしてみたくなるし、それについて語り合ってみたくなるんでしょうか。
2月10日の範囲は統合失調症の「妄想」について。そもそも色々な経過、症状の組み合わせを含んだ診断で、単一の病気とみなしてよいのか100年以上議論がなされています。
妄想を発生的に了解可能と取るか取らないか・・(少なくとも「了解」の物差しで診てみるか)、SNSやインターネット全盛の時代で疾患そのものの質が変わってきているのではないか、そうはいっても一つ一つの症状に対して言葉を尽くして丹念に分析されたヤスパース達の努力は、僕ら精神科医が患者さんの苦しみを理解するためのfast passになっているのではないか・・等々思い思いに話しているうちに1時間あっという間に過ぎました。
再来週は「記述精神病理学」が扱う統合失調症の「幻覚」について。気軽にワイワイとやっていこうと思います。

福間病院 臨床研修センター長
鈴木 宗幸