ご家族と関わる
普段の診察では出ない、ご家族の生の苦労話をじっくりと聞く事が出来て、僕にとってもM先生にとってもとても実りのある時間でした。出前講義って、普段の診療よりもアウェー感があるのですが、その分学びが大きいですね。次の日には当院で家族相談会を行い、ここでもご家族同士の体験の共有、支え合いを目の当たりにすることが出来ました。専門家としての情報は、治療の半分でしかなくて、当事者やご家族の工夫や強みが残りの半分を埋めるんだと思います。
普段よりも「アウェー」な環境に出かけていくことで生の声を聴く機会が得られ、支援者としての幅が広がるんだろうと思います。医師は治療者であると同時に支援者たるべし。若手の先生にはこのような貴重な機会をこれからも提供して行ければと思っています!
福間病院 臨床研修センター長
鈴木 宗幸
自主企画立ち上がってます
福大から派遣の若手のN先生が、毎週月曜日の夕方に1週間の新患入院を振り返るカンファレンスを立ち上げてくれました。民間病院での研修は日々の業務が詰まり、毎週の回診だけではじっくりと診断治療方針が深掘り出来なかったりします。若手の先生たちはその都度先輩医師に聞いているようですが、「困ったら聞いて」というのは、どのくらいから相談して良いのか躊躇する面もありますよね・・。定期的に症例を共有して疑問点を話し合ったり、他の若手が担当している症例にも触れることって大事です。前々からあったら良いなと思っていたものを形にしてくれたN先生に感謝。ありがとう!
それと、「ランチョンレクチャー」なるものを試験的に始めました。業務で忙しいので集まれるのは昼の時間か・・・ということで、若手の先生にはお弁当パクパク食べてもらいながら、鈴木の持っているネタ(統合失調症とか気分障害の過去に作りためた講義スライド)を、気軽に喋って行こうと思っています。今週は「統合失調症とその薬物療法について」。気軽にボチボチ続けたいな~と思っています。
福間病院 臨床研修センター長
鈴木 宗幸
来年度の募集開始です!
今年も専攻医応募受付の時期となりました。
来年度当院で精神科臨床研修を始めてくれる先生方の応募をお待ちしています!
共に学びましょう!!
福間病院 臨床研修センター長
鈴木 宗幸
今年も指定医合格!
またまたセンター便り更新をサボっていました(汗)。ちょっと前の話になりますが当院で2020年度からの研修を修了した先生たち二人が無事に精神保健指定医の資格を取得しました!めでたい!おめでとう!
患者さんの人権を守りながら指定医業務を遂行するための法律的、医学的知識と経験を持っていると法的に認定されたわけです。現場での責任、裁量は増しますが、福間病院は患者さんの人権、コンプライアンスを守りつつ寄り添う治療を、昔から丁寧に丁寧にやってきている病院なので、当院で育って指定医をとったのなら、どこの現場でも通用すると思います。是非これから現場で若きリーダーとして適切な医療を展開するべく頑張ってくださいね~。
ちなみに、これまで指定医レポートを添削した5人の先生は全部ストレートで通っています。先生たちの頑張りが大きいんだろうけど、センター長もしらみつぶしに添削しました~(←自慢)。
福間病院 臨床研修センター長
鈴木 宗幸
誰も叱ってくれない
2年前の夏に「精神療法をきちんと学んだことがないまま中堅になっちゃったなぁ」と反省してこの事業に申し込みました。2日間の事前セミナーと16回のCBTスーパービジョン、そしてこの1日間のブラッシュアップワークショップでひとまとまりです。これを受けたら認知行動療法の保険点数がとれる治療者になります。この研修のメインは何と言っても16回のスーパービジョン。うつ病の症例を1回50分×16回の構造化されたセッションで、じっくりと治療していきます。普段の診療でこれだけ深く治療する事はまず無いですし、その面接を録音したものを毎回聞き直し、橋渡しシートにまとめを作成して、スーパーバイザーの先生から毎回オンラインでこれまた1時間程の指導を受けるという一連の流れ×16回。自分の面接のクセ、偏り、技術不足を客観的にしっかりと見直して鍛えなおす、本当に良い研修です。「それだけみっちりやれば治るかもしれないが、普段の臨床では1人に50分なんてかけられないじゃないか!」とのツッコミが入ると思うのですが、一つの症例をしっかり深く学ぶと、普段の臨床スキルも変わってくるんですよ。ホントに・・。
最初のうちは自分の診察の録音を聴くのもこっぱずかしいです。「上手く出来てないなぁ」と頭を抱える事も度々です。でもそれが実際の自分の診察なんですよね・・。そしてスーパーバイザーの先生から、「愛あるダメ出し」を毎回もらうので、何度も目からうろこです。耳が痛いですが、だんだんとクセになります。「もっとダメ出してください!」って(ドM)(*´Д`)。
正直、中堅どころになると普段「誰も叱ってくれない」んですよね・・。指摘してもらえる環境は自分から探していかないと見つからないんです。しかもこれだけの手厚い指導が受けられて、お金は全くかからない。1回2万円のスーパービジョン代金は全て厚労省の研修事業から出るという・・。もはやCBT研修事業しかかたん(*´Д`)。
修了書をもらう気分で研修に参加して、スーパービジョンをやり遂げた全国の同志たちと体験を共有しました。学び続けるとバーンアウトは防げる。何度も言うけど資格とるのが1~2年遅れたって大差ないんです。その後が大事。燃え尽きないために少し遠回りしてでも色んなところに種を蒔いておきましょう。CBTに少しでも興味のある若手の先生方は、僕なんかよりももっと早い年数のウチに是非!
福間病院 臨床研修センター長
鈴木 宗幸
世界は遠くない
先週末に姫路で開かれたCADP(Course for Academic Development of Psychiatrists 精神科医の学術発展のための集中コース)に参加してきました。
CADPは世界精神医学会の元会長のNorman Sartorius先生が若手精神科医のために開いてくれているワークショップです。僕のような一勤務医がお近づきになれない先生のはずですが、サルトリウス先生は若手の育成に情熱を注いでいて、JYPO(Japan Young Psychiatrists Organization 日本若手精神科医の会)と深い親交があり、毎年来日して濃密な3日間のワークショップを開いてくれています。で、この先生が物凄く博識な「知の巨人」で且つ、情熱と愛情に溢れた先生なんです(そんな人いるのか?と思うかもしれんけど、そういう人です)。僕は14年前に参加して以来、JYPO卒業後もOBとして参加させてもらっているのですが、今年も大きな元気をもらいました。主催の北岡先生、清水先生、錫谷先生の献身的な支えで実りの多いワークショップになりました。この場を借りてお礼を申し上げます。
そしていつもながら、参加者の先生方の活き活きとした表情が印象的でした。僕たちは日本の一精神科医に過ぎませんが、CADPに参加すると「世界はそんなに遠くないな」と感じます。3日間英語のワークショップなので、研修で忙しい専攻医の先生たちは尻ごみしがちですが、たどたどしい語学力でも飛び込む勇気さえあれば何とかなります(気合7割、語学力3割くらいの比率)。自分の世界を広げるために是非参加して欲しいです。ちなみに福間病院の専攻医の先生には参加費もろもろ全て援助します。
福間病院 臨床研修センター長
鈴木 宗幸